地球環境問題を深刻な問題と捉え、「行動を起こさねば」と本気で考えたきっかけはアル・ゴア元アメリカ合衆国副大統領による映画「不都合な真実」でした。自分自身が年齢を重ね、親となり、自分の「残り時間」を如何に有意義に使うか、自分の子供たちに何を残すことができるか、を常に考えるようになりました。
一方、2015年に国連サミットで採択されたSDGsや、温室効果ガス削減に関して国際的取り決めを話し合う国連気候変動枠組条約締約国会議(通称COP)における「パリ協定」に象徴されるように、地球環境の重大かつ喫緊の課題への認識は高まりつつあるものの、こうした活動をプロパガンダと言い訳することで、とるべきアクションを取らない企業、組織が多いことに強い危機感を持っていました。
しかしながら、いくつかのグローバル大企業が痛みを伴う、実効性のあるアクションを取るようになったと共に、私が慣れ親しんでいたIT、ベンチャーの世界でも、伝説的ベンチャーキャピタリストのJohn Doerr氏がグリーンテックの伝道師となり、スタンフォード大学にサステナビリティ関連学部を新設するため1,500億円を寄付したり、Bill Gates氏の呼びかけでBreakthrough Energyという約1,300億円のファンドを組成する、といった「行動」に私自身、背中を押される気持ちになっていました。
そんな時に出会ったのが「微細藻類 Galdieria sulphuraria(ガルディエリア)」でした。
ガルディエリアは硫酸性温泉に生育する、10億年前から地球に存在する紅藻です。高温、高酸性、高濃度CO2、硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)存在下といった過酷な環境でも生育することができます。光があれば光合成し、光がなくても栄養源があれば生育します。
結果、産業レベルでの高い培養効率と低コスト生産を可能とします。
さらに、低濃度の溶液から金(Au)、パラジウム(Pd)など貴金属を選択的かつ網羅的に細胞表面に吸着させることが可能で、既存技術(イオン交換樹脂、活性炭など)より高い性能を示しております。
更に、細胞の内容物は、他微細藻類と同様、さまざまな栄養源、有用物質を備えており、食品や化粧品、染料などへの転用が可能です。
つまり、ガルディエリアは、都市鉱山(貴金属リサイクル)の効率化、海外の天然金鉱山における金採掘時の水銀被害の撲滅、食糧問題、CO2削減など、地球にとって重大な課題解決に総合的に貢献する可能性を秘めています。
当社は地球が生み出したユニークな微細藻類の力を生かし、人・自然・地球が調和する未来の実現に向けて、日々挑戦し続けていきます。
同時に、ともに働くメンバーの全員が成長・活躍でき、それぞれの分野のプロフェッショナルとして使命感をもって推進できる、魅力のあるこれまでにない企業体を目指しています。
当社は、『地球と全生物に最適なエコシステムを確立する』というミッションのもと、極限環境藻類の力を引き出し、循環社会を実現することを目指すdeep techベンチャーです。
これらの取り組みは、17の目標からなるSDGsの達成にも繋がると考えており、以下のSDGsの達成に向けて積極的に貢献していきます。
当社の開発する環境配慮型貴金属吸着材は、広範な社会課題の解決に結びつき、サステナビリティに貢献できると考えています。
特に、アジアや南米の小規模天然金鉱山(ASGM)における労働環境は健康被害と隣り合わせです。
そこでは、水銀に対する充分な知識の無い児童労働者を含め多くの人々が働き、水銀を素手で扱い、バーナーで燃やして水銀を蒸発させています。
労働者は健康被害や将来的な身体障害などを知りながらも、家族の生活や子供の教育のため、ASGMでの労働を選択せざるを得ない状況にあります。
また、金を取り尽くした地域は破棄され、また別の場所が採掘されます。その結果、水銀などによる深刻な土壌汚染が残存し、周囲の環境被害も大きいことが問題視されています。
正規手法とも言えるシアン化物を扱った工程には高額な初期投資が必要となり、小規模金採掘鉱山では採用できず、働き手は貧困から抜け出せないまま、次々に環境は汚染されるというサイクルから抜け出せずにいます。
当社はガルディエリアをベースとした貴金属吸着材の開発と併せて、ASGM環境においても利用できる金鉱石からの金回収プロセスの開発に成功しています。
新たな金回収プロセスを使うことでASGM事業者は水銀を使わずに、安全に鉱石から金を取り出すことが可能となります。
当社のテクノロジーは、ASGMが盛んに行われている東南アジア、アフリカ、南米の人々のサステナビリティに寄与するものであり、未来に悪影響を及ぼす環境汚染のサイクルを断ち切ることを目指します。
慶應義塾大学大学院経営管理研究科MBA。大学院在学中にペンシルバニア大学ウォートンスクールに交換留学。リー・クアンユー公共政策大学院エグゼクティブプログラム修了。
国内で5年間の外資系戦略コンサルファーム勤務を経て渡米。シリコンバレーにて現地ベンチャー企業の事業開発推進、日本およびアジア企業との戦略提携の橋渡しを行う。
2000年に企業向け情報共有ソフトを開発提供するリアルコム株式会社を創業し、代表取締役CEOに就任。2007年に東証マザーズに上場。海外ソフトベンチャーの買収を通じ、日、米、印の3地域でビジネス展開を行う。その後同社を退職し、2013年にベンチャー支援、大企業のオープインイノベーション支援を行うテネクス株式会社創業、代表取締役CEO就任。
2015年に微細藻類研究開発を通じた地球環境改善、循環経済構築を目指す株式会社ガルデリアを共同創業。現在当社代表取締役CEOを務める。
アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー(EOY) 2005ファイナリスト、「Red Herring 100 Private Company in Asia」(2005年) 選出。2014年に北米最高峰デナリ(旧マッキンリー)登頂。Japan MENSA会員
株式会社パスコで地図をベースとした分析、情報共有などGIS(地理情報システム)の提案から実装までを手がける。自治体の都市計画や上下水道管理などの仕組みをはじめ、民間企業向けのマーケティングシステムなどデータの切り口として地図を使う手法を様々な業界に展開。その経験を元に、IT業界へ転身後、ネットワークからアプリケーションまでフルスタックでこなす中で、企業内の情報共有に着目。リアルコム株式会社にて保険業界で本部と代理店に大動脈を通す数億円規模のプロジェクトマネジメントを経験。その後は自社クラウドサービスの立ち上げを中心とした事業開発を担当。
その後、日本ビジネスシステムズ株式会社でマイクロソフト社とのアライアンス立ち上げから、数百名規模の部門マネジメント、計数管理、複数のサービス開発を行いつつ、テクノロジーが社会に与える影響を体感。言語にとらわれない製品であるガルディエリアであれば日本からでも非線形成長を実現できると考え当社参画。
当社では事業開発担当としてNEDOなどの大型プロジェクトや、お客様との実証実験など複数案件のマネジメントに加え、製品や、培養設備を研究員とともに作り上げていくことで、マーケットからのリクエストと技術開発のバランスを取りつつ事業開発を推進している。
有機化学合成を専攻し教養学士として国際基督教大学を卒業後、渡英。生物学に転向し、イーストアングリア大学にて陸上植物シロイヌナズナのホルモン相互作用に関する研究でPh.D.を取得。カナダへ渡り、アルバータ大学ポストドクトラルフェローとして針葉樹における窒素循環や防御反応に関する研究を行う。
2011年に帰国、理化学研究所環境資源科学研究センター(旧植物科学センター)研究員としてスサビノリ(紅藻)の塩耐性メカニズムの研究や、陸上植物のセシウム吸収機構の解明およびファイトレメディエーションに関する研究を行う。
2019年当社参画、ガルディエリアの金属吸着機構の解明や内容物の用途開発などに携わる。
理化学研究所奨励課題、環境資源科学研究センター異分野連携研究課題採択、RIKEN Researcher Incentive Award受賞。
経済産業省にて投資事業有限責任組合法、関連金融法制・税制・会社法制の改定を企画するなどベンチャー企業振興、産学連携施策等に従事。複数のベンチャー企業経営を経て、大手金融機関系VCにおいて国内外のベンチャー企業の投資開発及び経営支援に従事。 みやこキャピタル株式会社代表取締役。
一橋大学経済学部卒業。株式会社日本興業銀行入行後、米国債・各種デリバティブのトレーディング、システムの保守・運用等に従事。その後創業初期の株式会社デジタルガレージに参画し、IPO前の管理体制の整備等に注力。2004年4月にサイボウズ株式会社に入社し、同社取締役副社長兼経営管理部長を務める。東証1部(現:東証プライム)への昇格など、CFOとして同社の急成長期を支える。その後、2007年には日活に転じ、事業戦略立案、資本政策等を主導。2016年に環境・エネルギー分野に特化したベンチャー・キャピタルである株式会社環境エネルギー投資に入社し、取締役に就任(現任)。H2L株式会社の非常勤取締役、株式会社アクティブアンドカンパニー、LiLz株式会社の非常勤取締役も務める。 2024年3月、当社取締役に就任。
東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程修了。博士(農学)。
株式会社リバネス代表取締役CEO、ならびに株式会社グローカリンク取締役、株式会社ユーグレナ技術顧問、合同会社ユーグレナSMBCリバネスキャピタル業務執行役、ならびに次世代科学技術育成ファンド投資委員。同ファンドの設立にあたりLPより20億円の資金を調達。NEDO事業カタライザー。その他20社以上のテクノロジーベンチャーの事業化に関わる。
会社名 | 株式会社ガルデリア |
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所在地 | 〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町2-4-2-709 |
代表 | 代表取締役CEO 谷本 肇 |
資本金 | 2億6,944万9,295円 |
設立日 | 2015年10月1日 |
事業内容 |
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事業所 | 鶴見ラボ:〒230-0046 横浜市鶴見区小野町75番地1 [ アクセス ] |